ネット上の掲示板やSNSでは、時折「瑞沢高校かるた部の中で机くんは実力的に最も弱く、足を引っ張っていたのではないか」という安易な意見が見受けられます。しかし、これは競技かるたの団体戦ルールとチームビルディングの本質を見落とした大きな誤解です。
団体戦は5人中3人が勝てばチームの勝利となります。机くんの最大の功績は、「自分が1勝を拾いに行くこと」以上に「チーム全体で確実に3勝をもぎ取るための配宿・戦術設計」を完遂した点にあります。
彼は自らの試合中であっても、隣で戦う千早や太一の呼吸、相手校の主力選手の精神状態を冷静にモニタリングしていました。相手のオーダー(配置順)を読み切り、敵のエースに誰を当て、どこで確実に白星を計算するかというアナリストとしての知略は、事実上「6人目の選手」として盤外から勝率を跳ね上げていたに等しい働きでした。机くんがいなければ、瑞沢高校が全国大会の頂点に立つことは構造上不可能だったと言えます。