ネット上の情報や一部の投資インフルエンサーの間で流布している言説の中には、重大な事実誤認やミスリードが含まれていることが少なくありません。記者が現場取材で確認した、特に警戒すべき2大誤解を解き明かします。
誤解①:「豪ドルは安全資産であり、下がっても持ち続ければ必ず戻る」
かつての「資源大国・オーストラリアの高金利通貨神話」を盲信する層に見られる致命的な思い込みです。豪ドルは国際金融市場において明確に「リスクオン通貨(景気敏感通貨)」に分類されます。世界的な株安局面や地政学リスクの勃発時には、基軸通貨である米ドルや避難通貨とされる円に対して真っ先に売られる宿命を背負っています。「持っていればスワップがあるから安心」と過信してナンピン買いを重ねた結果、過去のショック相場で証拠金を全て失ったトレーダーの手記や証言は枚挙にいとまがありません。
誤解②:「豪ドル円為替チャートの動きは米ドル円と完全に連動している」
「ドル円が上がっているから豪ドル円も上がるだろう」という短絡的な相関関係の当てはめは極めて危険です。豪ドル円は「豪ドル/米ドル(AUD/USD)」と「米ドル/日本円(USD/JPY)」の合成通貨ペア(クロス円)です。ドル円が円安方向に動いていても、中国経済の減速や資源価格下落によってAUD/USDが激しく売られていれば、豪ドル円は激しく下落します。片方の足元のトレンドだけを見てエントリーすることは、片目を閉じたまま高速道路を運転するに等しい無謀な行為です。