親指付け根の痛む原因とは?母指内転筋の役割とフローマン徴候の真相

親指付け根の痛む原因とは?母指内転筋の役割とフローマン徴候の真相

親指付け根の痛む原因とは?母指内転筋の役割とフローマン徴候の真相についての真相をお届けします。

尺骨神経の障害を疑う際、世界中の整形外科医や理学療法士が初診時に必ず実施するのが「フローマン徴候(Froment's sign)」の誘発テストです。高価な検査機器を使わず、1枚の薄い紙や診察券だけで判定できるこのテストの背景には、人体の見事な代償メカニズムが隠されています。

検査方法はシンプルです。検者と被検者が紙の両端を持ち、被検者に対して「親指と人差し指の側面で紙をしっかり挟み、引っ張られても取られないように保持してください」と指示します。母指内転筋が正常に機能していれば、親指の関節をまっすぐに伸ばしたまま、指腹全体で紙を強固に挟み続けることができます。

しかし、母指内転筋が麻痺している場合、患者は紙を取り落とさないよう無意識に別の筋肉を動員します。それが正中神経支配である長母指屈筋(FPL)です。母指内転筋が使えない代償として長母指屈筋を限界まで収縮させるため、親指のIP関節(第一関節)がカクンと深く曲がってしまうのです。この現象こそがフローマン徴候の真相であり、神経支配の境界線を巧みに突いた診断学の傑作といえます。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。