皮膚科の診察室やウェブ上のコミュニティには、ノミ刺されを経験した人々からの切実な声が数多く寄せられています。日本皮膚科学会の臨床報告やSNS・相談掲示板に投稿された実際の証言を検証すると、共通して語られるのは「一般的な虫刺されの概念を根底から覆す苦痛」です。
都内のIT企業に勤務する30代男性は、自宅で起きた異変について次のような手記を残しています。
「最初はベランダで蚊に刺されただけだと思っていました。ところが翌日の夜、足首のあたりが脈打つように熱を持ち始め、氷を当ててもかゆみが治まらない。気が狂いそうなほどの痒みで夜中に何度も目が覚め、無意識に掻きむしってシーツが血だらけになりました。3日目には赤い斑点が黄色い水ぶくれに変わり、靴下を履くことすら激痛で不可能に。皮膚科に駆け込んだところ、『典型的なネコノミの刺咬症です』と告げられました。完全にかゆみが引くまで3週間、刺された跡が薄くなるまで1年以上かかりました」(患者手記より要約)
また、臨床現場の皮膚科医からは、特に抵抗力の弱い乳幼児や小児における合併症のリスクが指摘されています。子どもは痒みに耐えきれずに患部を掻き壊しやすいため、傷口から細菌が入り込む二次感染の発症率が成人に比べて極めて高くなります。さらに、ノミは消化管寄生虫である「瓜実条虫(サナダムシ)」の中間宿主でもあるため、床を這う乳幼児がノミの死骸や成虫を誤飲することで、消化器疾患を引き起こす重大な二次リスクも報告されています。