1965年ツタンカーメン展の熱狂!黄金のマスク来日と300万人殺到の真相

1965年ツタンカーメン展の熱狂!黄金のマスク来日と300万人殺到の真相

1965年ツタンカーメン展の熱狂!黄金のマスク来日と300万人殺到の真相を徹底追究! 知っておきたい 情報と解説を分かりやすく展開します。

1965年夏、上野の東京国立博物館周辺は、異様な高揚感と凄まじい人波に包まれていました。朝の開館前から数千人が列を作り、日中の気温が30度を超える炎天下でも人々は汗を拭いながらじっと待機を続けたのです。このツタンカーメン展1965熱狂の理由を解き明かすには、当時の日本が置かれていた特異な社会状況に目を向ける必要があります。

前年の1964年には東京オリンピックが開催され、東海道新幹線が開通しました。敗戦の灰燼から立ち上がり、「もはや戦後ではない」と宣言した日本社会が、国際社会へ復帰し自信を取り戻した絶頂期です。しかし、一般市民の海外渡航が自由化されたのは1964年4月のことであり、当時の一般サラリーマンにとって海外旅行は天文学的な費用がかかる夢のまた夢でした。「世界最高峰の本物を肉眼で見る」という体験への飢餓感は、現代人の想像をはるかに絶するものだったのです。

そこへ現れたのが、3000年以上の時を超えて輝きを保ち続けるエジプトの秘宝でした。テレビのカラー放送普及とともに新聞各社が連日大々的な特集を組み、知的好奇心とエキゾチシズムが国民的な熱狂へと昇華された結果が、あの爆発的なブームを生み出しました。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。