浮世絵専門の美術館として知られる東京・原宿の太田記念美術館では、近年、水滸伝や武者絵を題材とした展覧会が連日大盛況を見せている。学芸員たちの研究によって、浮世絵と刺青文化の密接な相互作用が改めて解明されつつある。
「国芳の武者絵を見て憧れた職人たちが、実際に自分の体に同じ彫り物を入れ、それをまた別の絵師が描くという美意識の循環が存在した」と専門家は指摘する。展示室に飾られた国芳の原画を食い入るように見つめる来場者の中には、海外から訪れたタトゥーアーティストの姿も目立つ。
江戸時代の職人たちにとって、九紋龍を背負うことは単なる誇示ではなく、命をかけた粋の境地であった。太田記念美術館が提示する数々の貴重な資料は、和彫りが単なるサブカルチャーではなく、日本が世界に誇るべき高度な美学的伝統であることを雄弁に物語っている。