一方で、閣僚クラスや党幹部といったベテラン勢がこぞって身に着けるのが、日本が世界に誇る「グランドセイコー」だ。ここには、政治的な「安全牌」としての計算が働いている。
スイスの超高級時計を着ければ「庶民感覚がない」と叩かれ、かといって安価な時計では「国の代表として品格に欠ける」と批判される。このジレンマを完璧に解決するのがグランドセイコーなのだ。数十万から数百万円という価格帯は決して安くはないが、「日本の職人技術を応援している」「国産品を愛用している」という大義名分が立つ。批判の矛先をかわしつつ、一定のステータスを維持するための、極めて日本的な防衛策と言えるだろう。