人工股関節後の外転枕はいつまで必要?眠れない夜の対処法と脱臼予防策

人工股関節後の外転枕はいつまで必要?眠れない夜の対処法と脱臼予防策

人工股関節後の外転枕はいつまで必要?眠れない夜の対処法と脱臼予防策についての真相を徹底解説します。

人工股関節全置換術(THA)を施行した後の股関節は、人工骨頭と受け皿(ソケット)が新しい位置関係に収まったばかりの不安定な状態にあります。関節を包む関節包や周囲の筋肉が十分に修復・癒着していない術後初期に最も警戒すべきリスクが「脱臼」です。

股関節が外れやすくなる特定の姿勢を医学用語で股関節 脱臼肢位と呼びます。特に従来から多く行われてきた後方アプローチによる手術では、「股関節の屈曲(深く曲げる)+内転(内側に閉じる)+内旋(内側にひねる)」という複合的な動きが加わった瞬間に、人工骨頭が後方へ逸脱する危険が跳ね上がります。睡眠中や麻酔から覚醒した直後の無意識な寝返り、あるいは脚を組むような動作は、まさにこの脱臼肢位を招く引き金となります。

そこで用いられるのが、両大腿の間に挟んで脚を開いた状態に保つ外転枕です。外転装具を用いる最大の理由は、脚が内側へ閉じたり交差したりする動作を物理的にブロックし、常に安全な外転位保持を維持することにあります。骨頭がカップの中心で正しく安定した状態をキープすることで、再建された軟部組織の早期治癒を促し、安全な股関節手術後のリハビリを支える強固な土台を築きます。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。