Q1:なぜ「竹取の翁」には名前があるのに、「かぐや姫」の母親(翁の妻)には名前がないのですか?
A1:物語中では翁の妻は単に「媼(おうな)」とだけ呼ばれており、固有の氏姓は記されていません。これは当時の日本社会において、対外的な家長・公的職責を担うのが男性側(讃岐造)であり、媼は内奥の養育係としての役割に限定されていたジェンダー構造を反映しています。また、物語の諷刺の矛先が当時の男性官人社会に向けられていたことも関係しています。
Q2:「讃岐造」と四国の「讃岐うどん」や香川県は完全に無関係なのですか?
A2:語源の源流においてはつながりがあります。古代日本の「讃岐」というクニの名称自体は四国発祥ですが、その讃岐国造の流れを汲む一族、あるいは讃岐の神を奉斎する祭祀集団が大和国(奈良盆地)の散吉郷へ移住・定着したことで「大和の讃岐造」が成立しました。したがって、地理的ルーツは四国に遡るものの、物語の現場と翁のモデルとなった生活拠点は奈良県広陵町周辺です。
Q3:翁がかぐや姫につけた「なよ竹のかぐや姫」という名前にはどんな意味があるのですか?
A3:作中では三室戸斎部の秋田(みむろどのいんべのあきた)という名付け親を招いて命名されます。「なよ竹」はしなやかでみずみずしい竹を意味し、「かぐや」は光り輝く様子(赫映)を表します。竹から生まれた奇跡的な生い立ちと、周囲を照らすほどの神々しい美しさを讃えた最高級の美称です。