精神疾患の国際的な診断基準である米国精神医学会(APA)の『DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)』において、演技性パーソナリティ障害は「過度な情緒性と人の注目を引きたいという欲求の広範な様式」として分類される。成人期早期までに始まり、多様な状況で顕在化する以下の8項目のうち、5項目以上が該当する場合に診断が検討される。
- 自分が注目の的になっていない状況では居心地の悪さを感じる
- 他者との関わりが、しばしば不適切に性的に誘惑的または挑発的な態度によって特徴づけられる
- 感情の表出が浅く、急激に移り変わる
- 自分への関心を引くために、一貫して身体的外見(服装や装飾、露出など)を利用する
- 過度に印象的で、具体的な詳細を欠いた話し方をする
- 自己演劇化、芝居がかった態度、誇張された感情表現を示す
- 被暗示性が高く、他者や周囲の環境の影響を極めて受けやすい
- 対人関係を、実際の親密さ以上に親密なものと捉えている
日常生活や職場で見られる「あるある」の行動パターンとしては、出会って間もない相手を「一生の親友」「運命の人」と呼ぶ極端な距離感の詰め方や、他人の不幸なエピソードに被せる形で自らの悲惨な体験を過剰にアピールする「同情の横取り」が挙げられる。また、流行や新興のスピリチュアル思想、周囲の有力者の意見に盲従しやすく、自分の核となる価値観が定まらない点も典型的な特徴である。