「未来予想図」という楽曲を語る上で、避けて通れない最大の謎が「ナンバリングの逆転現象」です。一般的にシリーズ作品は「I」から順に発表されるものですが、ドリカムの場合は1989年11月発売の2ndアルバム『LOVE GOES ON…』に「未来予想図II」が先に収録され、無印である「未来予想図」が世に出たのは1991年11月発売の4thアルバム『MILLION BELLS』でした。 このリリース順の背景には、吉田美和という稀代のソングライターが持つ原体験と、リーダー中村正人の緻密なプロデュース戦略が交錯しています。 音楽関係者の証言や当時の制作記録によると、「未来予想図」の原型は吉田美和が北海道池田高等学校に在学していた10代の頃、すでに完成していました。ピアノも楽譜も介さず、頭の中に湧き出る旋律と言葉をラジカセに吹き込んでいた高校生当時の吉田美和。そのカセットテープの音源を聴いた中村正人は、荒削りながらも圧倒的なコード感とメロディの美しさに強い衝撃を受けたといいます。 では、なぜ「I」を温存し、「II」を先に制作・リリースしたのでしょうか。そこには「中村正人の編曲秘話」として語り継がれる妥協なきサウンドメイキングの壁が存在しました。 高校生時代のピュアな心情が凝縮された「未来予想図」は、メロディの完成度が高すぎるがゆえに、当時のバンド編成やシンセサイザーの技術、そしてドリカムの初期予算の枠組みでは「吉田美和の頭の中で鳴っている壮大なスケール」を完全に具現化することが困難だったのです。一方、「未来予想図II」は、その数年後の大人の恋愛を描く続編として新しく書き下ろされ、壮大なバラードとしてアレンジをまとめ上げやすい構成を持っていました。 結果として「未来予想図II」がミリオンセラーを記録する起爆剤となり、バンドとしての地位と制作環境を確立した満を持してのタイミングで、原点である「未来予想図」がオーケストラを導入した重厚なアレンジでレコーディングされたのです。
ドリカム『未来予想図』歌詞の真実|誕生秘話とIiとの違いを徹底解剖
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