SNSやネット掲示板、Q&Aサイトでは、「コンドーム使用期限1年過ぎたけれど見た目が綺麗だから使ってしまった」「途中で破れて中出し状態になったかもしれない」という切迫した相談が日常的に投稿されています。
「大丈夫だった」という一部の書き込みを鵜呑みにして自己判断を下すのは極めて危険です。コンドームの避妊効果は、完全な状態で正しく使用された場合で約98%(理想的使用での失敗率2%)とされていますが、一般的な使用状況では約82〜87%(年間の避妊失敗率13〜18%)まで低下します。ここに使用期限切れという物理的劣化が加わると、破損率は跳ね上がります。医療従事者や臨床現場の聞き取り調査によれば、期限切れコンドームを用いた場合のコンドーム使用期限切れ妊娠確率は、実質的に「避妊具を一切着けずに性交した状態」に近い極めて高いリスクゾーンへと突入します。
さらに深刻なのが、性感染症予防コンドーム品質劣化による健康被害です。梅毒トレポネーマ、クラミジア・トラコマチス、淋菌、さらにはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)などの病原体は、肉眼では確認不可能なマイクロクラック(目に見えない裂け目)を容易に通過します。破損した瞬間に双方の粘膜と体液が直接触れ合うため、感染症の予防壁としての機能は完全に失われます。「破れていなさそうに見えた」という主観的な印象は、微細なウイルスの透過を何ら防ぐ根拠にはなりません。