インターネット上では、自転車のハンドサインに関して極端な言説や誤解が散見されます。交通安全工学および法規の観点から、代表的な3つの誤解を正しく解体します。
誤解1:「手信号を出すと片手運転違反で警察に捕まる」は本当か?
道路交通法第71条第4号(公安委員会遵守事項)では「傘差し運転」や「スマートフォン保持」などの不正な片手運転を禁じていますが、「法令で義務付けられた合図を行うための片手操作」は明確に適法行為です。ただし、合図を出したことによって車体が蛇行したり、歩行者に接触しそうになったりした場合は、安全運転義務違反(第70条)に問われるリスクが生じます。合図は「車体が安定している直進状態の数秒間」に限定して行うのが鉄則です。
誤解2:「ハンドサインを出していれば進路変更で優先される」という思い込み
手信号はあくまで「自分の意思を後方に予告する合図」であり、通行の優先権を獲得するものではありません。道路交通法第26条の2(進路の変更の禁止)において、進路を変更しようとする車両は、後方から接近する他の車両の進行を妨げてはならないと明記されています。合図を出したからといって後方確認を怠り、自動車の直前に割り込むような進路変更は重大な過失割合を問われる危険行為です。