最愛の妻と娘を同時に奪われた遺族・本村洋氏の存在は、日本中の人々の心を打つと同時に、社会を動かす強大な原動力となった。「加害者の人権ばかりが守られ、被害者の無念は置き去りにされている」という彼の切実かつ論理的な訴えは、報道メディアを通じて広く拡散された。
本村氏は自らの悲痛な体験を抱えながら、他の被害者遺族らとともに「全国犯罪被害者の会(あすの会)」の設立と活動に深く尽力した。この運動は、裁判への被害者参加制度の導入や犯罪被害者等基本法の成立、そして過度の少年保護を見直す少年法改正という具体的な法制度の改革を次々と手繰り寄せた。一人の人間が背負った深甚な悲しみが、国を動かす大きな波となったのである。