電磁波観測・地球科学の領域において、FMラジオ波の伝搬異常を利用した地震前兆の捉え方は独特の位置を占めている。八ヶ岳南麓天文台の串田嘉男氏が推進する「串田予測(FM電波地震前兆観測プロジェクト)」は、地震発生前に発生する電磁気的現象を検知し、震源や発生時期、規模(マグニチュード)を特定しようとする試みだ。一般的な地震計がP波やS波といった物理的な揺れを捉えるのに対し、本手法は地殻の歪みに伴う電波伝搬の乱れをリアルタイムで観測する。
従来の地震学では、地震の発生時期を特定することは極めて困難とされてきた。しかし、電磁気学的な異常シグナルを前兆として解析するこのアプローチは、従来の観測手法で捉えきれなかったミッシングリンクを補う可能性を秘めている。ノイズの除去や伝搬経路の変動要因といった技術的課題は残るものの、実験的なデータ収集は今も継続されている。