マクロ経済の動向においては、エネルギー価格の高止まりと為替のボラティリティが家計を圧迫し続けました。日銀による金融政策の正常化プロセスが進められるなかでも、実質賃金の本格的なプラス定着には時間を要し、消費者の節約志向とメリハリ消費の二極化が進展しています。
そうした逆風下で開催された2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)は、国内外から大きな注目を集めました。会場建設費の増額や運営面での議論を呼びながらも、開幕後は空飛ぶクルマや次世代ヘルスケア技術の実証展示が話題を呼び、関西圏を中心とするインバウンド消費の押し上げや交通インフラの整備に一定の経済波及効果をもたらしました。
ただし、その恩恵は地域や業界によって偏りがあり、日本経済全体の成長率を劇的に押し上げる特効薬には至らなかったのが冷静な実情です。一時的なイベント効果に頼るのではなく、万博を契機に生まれた脱炭素技術やデジタル技術の社会実装をいかに持続的な産業育成へつなげるかが問われています。