清涼飲料水業界において、パッケージは長年、ブランドロゴとシズル感を伝えるための販促スペースに過ぎなかった。しかし、お〜いお茶はその常識を鮮やかに覆した。ボトルの余白を一般市民の表現の場として開放したことで、商品は単なる渇きを癒やす飲料から、感情を行き交わせるコミュニケーションメディアへと進化した。
この試みは出版・メディア業界にも多大な影響を与えた。本を開かない層や文学に馴染みの薄い世代に対しても、日々の買い物を通じて活字の美しさとユーモアを届ける仕組みを完成させたからだ。手に取った人が思わず句を声に出して読み、隣の同僚に見せる。パッケージそのものが自律的なメディアとして機能するモデルは、今なお他の追随を許さない独自性を誇る。