ハトムギによる流産説が科学的に否定される一方で、妊娠中の水分補給において見落としてはならない実質的なリスクが存在します。それが「冷え」と「電解質バランスの崩れによるむくみ」です。
ハトムギや大麦は、薬膳や伝統医学の観点では「余分な熱を取り、水分代謝を促す」性質を持つ食材に分類されます。これは適量であればむくみ解消に寄与しますが、冷蔵庫でキンキンに冷やした爽健美茶を1日に2リットル以上がぶ飲みした場合、物理的な内臓の冷えを招きます。母体の冷えは腹壁の緊張や子宮循環の低下、便秘の悪化を誘発するため、ハトムギの成分云々よりも「冷たい液体の大量摂取」そのものが母体に負荷をかけるのです。
また、妊娠中期以降は循環血液量が非妊娠時の約1.4倍に増加するため、生理的に下肢がむくみやすくなります。水分の過剰摂取や急激な尿排泄の偏りは、かえって体内の水分保持機構を刺激し、むくみを悪化させる要因になります。飲む量としては1日あたり常温で1.5〜2リットルの水分を、数回に分けてこまめに補給するのが医学的ガイドラインに沿った正しい作法です。