欧米ではすでに、ピットブルを含む特定の犬種に対して飼育禁止や厳格な免許制を課す「特定犬種規制(BSL: Breed-Specific Legislation)」の導入が進んでいる。イギリスでは危険犬法に基づき原則飼育が禁止されており、フランスやドイツでも強固な制限が存在する。
日本でも報道番組『ABEMA Prime』などで、特定犬種規制の導入を巡る激論が度々交わされてきた。規制推進派は「公共の安全を守るため、潜在的致死力を持つ犬種の飼育は一律で制限すべきだ」と主張する。地域社会の平穏と生命の保護を最優先に考えるならば、至極真っ当な意見に聞こえる。
これに対し、日本動物愛護協会などの専門家筋や保護活動家からは慎重論が根強く提示される。特定犬種を一律に排除しても、無責任な飼い主が別の大型犬種に乗り換えるだけで根本的な解決にはならないという指摘だ。個体の気質評価を飛び越えた犬種差別であるという倫理的批判と、現実的な危機管理の狭間で議論は平行線をたどっている。