多くの日本人学習者が陥りがちな文法エラーの代表格が、「人を目的語にしてしまう誤用」です。
なぜ「I appreciate you」は誤用とされるのか?
学校英語で「appreciate = 感謝する」と単純暗記してしまうと、「I thank you」と同じ感覚で「I appreciate you」と言ってしまいがちです。しかし前述の通り、appreciateは「価値を評価する」動詞であるため、直後に人間を置くと「あなたの人間としての価格を算定する」という不自然な語感が生じてしまいます。
正しくは、相手の行動や好意を目的語にして次のように表現します。
- ❌ I appreciate you. (口語の俗語として若年層で使われる例外を除き、ビジネスではNG)
- ⭕ I appreciate your help.
- ⭕ I appreciate what you have done for us.
経済・投資の文脈における「価値が上がる」
appreciateには他動詞だけでなく自動詞としての用法があり、金融・経済ニュースでは日常的に使われます。この場合、「感謝」の意味は一切なく、資産や通貨の価値上昇を意味します。
例文:The Japanese yen has appreciated against the US dollar.
(日本円は米ドルに対して価値が上昇した=円高になった。)
※対義語は価値が下落することを意味する「depreciate」です。