『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のラストシーンで描かれた、神話の存在しない現実世界(ネオンジェネシス)への着地は、主人公・碇シンジの自立であると同時に、クリエイター・庵野秀明自身の長きにわたる呪縛からの解放を象徴していました。では、シン・エヴァンゲリオンのその後と現在の庵野監督はどのような足跡を辿っているのでしょうか。
庵野監督は『シン・仮面ライダー』の劇場公開を経て、実写・特撮分野における長年のクリエイティブな宿題に一定の区切りをつけました。現在の活動の主軸は、自身が理事長を務めるATAC(アニメ特撮アーカイブ機構)を通じた文化資料の保全事業や、後進育成、さらにはカラーが携わる長編アニメーションの企画監修へと向けられています。時折メディアで報じられる制作現場の証言によれば、監督は現場の最前線で何千カットものコンテを修正する激務から距離を置き、より長期的視点で日本のアニメーション産業の基盤を支える役割を担っています。
ネット上で囁かれるエヴァンゲリオンの新作の噂の真相を整理すると、現在スタジオカラー内部で水面下に進行している企画は、既存シリーズの直接的な延長線上にある映画ではなく、短編オムニバスやスピンオフ企画、あるいは舞台劇や展示企画といった多面的なメディアミックス展開である可能性が濃厚です。ファンを熱狂させた「庵野秀明が作るエヴァ」の物語は、『シン・エヴァ』の駅のホームで真希波・マリ・イラストリアスと共に駆け出したあの瞬間を以て、揺るぎなく完結しているのです。