桑野信義が公の場に姿を現した際、SNSや検索エンジンで一時爆発的に急上昇したワードが「桑野信義 激痩せ」や「病状悪化」でした。かつて大柄でふくよかな体型がトレードマークだった彼が、頬がこけ輪郭がシャープになった姿を見た視聴者から「がんが末期まで進行しているのではないか」「抗がん剤で衰弱しきっているのではないか」という憶測が飛び交ったのは事実です。
しかし、この激痩せの真相はネット上のネガティブな噂とは根本的に異なります。急激な体重減少の最大の理由は、「徹底的な食事療法の導入」と「直腸切除に伴う消化機能への適応」による健康管理の賜物でした。かつての桑野信義は暴飲暴食や飲酒を重ねる生活を送っていましたが、がん発覚を機に酒を完全に断ち、動物性脂肪や塩分、精製糖を抑えた野菜中心の食生活へと大転換を図りました。
消化器外科の臨床現場において、直腸切除後は腸管の貯留能が低下するため、一度に大量の食事を摂ることが難しくなります。少量ずつ良質なタンパク質と食物繊維を摂取する生活を継続した結果、内臓脂肪が削ぎ落とされ、85kgを超えていた体重は健康的かつ適正な70kg前後へと自然に絞り込まれました。すなわち、病魔に蝕まれた衰弱ではなく、再発防止のために自らを厳格に律した「命のダイエット」の結果だったのです。