このアグレッシブな投資戦略の指揮を執るのが、代表取締役社長の中島規巨氏だ。中島氏は就任以来、好不況の波が激しいシリコンサイクルに左右されない強靭な事業構造への転換を強力に推し進めてきた。技術畑出身のリアリズムとグローバルな市場洞察を併せ持つリーダーシップが、迅速かつ大胆な設備投資の決定を後押ししている。
その基盤を作ったのは、前社長であり現会長の村田恒夫氏らが長年培ってきた「材料から内製化する」という頑固なまでのモノづくり哲学だ。製造装置自体を社内で内製・改良し、外部から工程を見えなくする徹底した秘匿主義が、競合他社による模倣を阻んできた。出雲の地に根付く卓越した現場力は、歴代経営陣の思想が具現化した最高傑作といえる。