奇跡的な救出に胸をなでおろす一方で、今回の事案は日本の防災対策における大きな課題を突きつけている。乳幼児を抱えた状態での避難がいかに困難であるか、という現実だ。激しい揺れの直後、片手に赤ちゃんを抱き、もう片方の手で非常用持ち出し袋を持ち、迫り来る津波から逃げることは物理的にほぼ不可能に近い。
専門家は、抱っこ紐の常時携帯や、水に浮く素材で作られた乳幼児用避難キャリーの普及を急ぐべきだと指摘する。また、避難経路のバリアフリー化だけでなく、地域全体で「子供連れの避難を誰がサポートするか」をあらかじめ決めておくタイムラインの策定が不可欠だ。悲劇を繰り返さないための具体的なアクションが、今まさに求められている。