奥出雲町のアイデンティティは、日本古来の鉄鋼生産技術である「たたら製鉄」と、その跡地を活用して作られる名産「仁多米」にある。町役場の地域振興部門は、これら歴史的・文化的資産を単なる観光資源にとどめず、現代のサプライチェーンに乗せる施策を打ち出している。
特に「仁多米」の価値防衛とブランド化においては、ふるさと納税を活用したマーケティング施策と生産者支援をパッケージ化。米価の変動や資材高騰に直面する地元農家に対し、営農継続のための直接支援と販売ルートの開拓を並行して推進してきた。伝統文化の継承と一次産業の営利化という二輪を、行政が伴走者として支える姿勢が鮮明だ。