「このTシャツ1着で、150万円ですか?」
とある裏原宿のヴィンテージショップで耳にした客の問いに、オーナーは静かに頷いた。90年代のロックバンドTシャツや、当時限られた店舗でしか販売されなかったストリートブランドの希少なコラボアイテム。かつては数百円、数千円で投げ売りされていた服たちが、今やアート作品と同等の扱いを受けている。
海外からの旅行客が原宿を目指す理由は明白だ。日本国内に眠る古着の保存状態の良さは世界一と言われており、特に原宿のバイヤーが持つ独自の「審美眼」と「編集力」は群を抜いている。ただ古いものを売るのではない。時代背景やカルチャーの文脈を切り取り、今着るべきスタイルとして再提示する。この独自のセレクトセンスこそが、世界中のファッショニスタを魅了して離さない。