将棋の駒の読み方完全ガイド!難解な裏面のくずし字から正式名称まで徹底解説

将棋の駒の読み方完全ガイド!難解な裏面のくずし字から正式名称まで徹底解説

将棋の駒の読み方完全ガイド!難解な裏面のくずし字から正式名称まで徹底解説を徹底追究! 知っておきたい 重要ポイントを凝縮して配信します。

将棋初心者が最も大きな壁を感じるのが、「敵陣に入って駒を裏返した瞬間、何の文字が書かれているか全く読めない」という現象です。市販されている伝統的な木製駒(彫駒や盛上駒)の裏面には、普段目にする楷書体とは大きく異なる独特の筆文字が刻まれています。

この難解な文字の正体と、なぜそのような崩し字が使われているのかについて、実態を検証します。

裏面のくずし字はすべて「金」のバリエーション

銀将・桂馬・香車・歩兵の4種類の駒は、敵陣(相手側の3段目以内)に進出すると「成る」ことができます。成った駒はすべて「金将とまったく同じ動き」へと進化します。

そのため、裏面に書かれている文字は基本的に「金」という概念をベースにした草書体や変体仮名が使われています。

  • 成銀(なりぎん):「金」の略字、あるいは「全」のくずし字。金将と区別しつつ、全方位に近い金の動きを想起させる意匠です。
  • 成桂(なりけい):「圭」のくずし字。中国の古典で宝玉を意味するめでたい文字を「桂」に当てはめ、金と同等の価値を持つことを示しています。
  • 成香(なりきょう):「杏」のくずし字。香車の「香」の偏と旁を組み合わせた意匠、あるいは「金」の異体字と解釈されています。
  • と金(ときん):ひらがなの「と」に見える文字。

💡 「と金(ときん)」の文字と由来に関する諸説

「と金」の「と」がなぜ生まれたのかについては、日本将棋連盟の資料や文字文化史の研究において複数の有力説が存在します。
1. 「金」の草書体説:「金」という文字を筆で極限まで崩して書いた結果、「と」の形状になったという説(最も有力)。
2. 「今」の略字説:「今(いま)」という漢字の草書体であり、「今や金と同じ働きをする」という意味を込めたという説。
3. 「止」説:これ以上歩兵としては進めず、金として定着したことを表す「止(と)」に由来するという説。
現代のタイトル戦で使われる最高級駒(水無瀬書や錦旗書など)でも、味わい深い流麗な「と」の草書体が彫り込まれています。

プラスチック製の入門用セットでは、子どもや初心者が混乱しないよう裏面に赤字で「成銀」「成桂」「成香」「と」と楷書でプリントされている製品も増えていますが、伝統的な将棋駒の世界では、これらのくずし字の美しさこそが工芸品としての鑑賞価値となっています。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。