シーズン終盤、球団事務所で定期的に開かれるスカウト会議。担当スカウトたちが集結するその会議室の空気は、まさに真剣勝負そのものだ。各地域を担当するスカウトが、手塩にかけて追ってきた選手たちの将来性や人間性を熱烈にプレゼンする。時には激しい意見の対立が生まれ、スカウティング部長や編成トップを悩ませることもある。
日本のアマチュア球界において、運命の分岐点となるのがプロ志望届の提出だ。締め切りが近づくにつれ、高校・大学・社会人の注目選手たちが次々と去就を明らかにしていく。指名リストの最終絞り込みは、この志望届の動向と直結する。指名漏れのリスクや他球団の出方を読み合いながら、単独指名を狙うのか、あるいは強気の競合覚悟で本命に突撃するのか。緻密なシミュレーションが深夜まで繰り返される。