銀座八五の予約方法と現在の並び方は?タレなし極上スープの真価

銀座八五の予約方法と現在の並び方は?タレなし極上スープの真価

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銀座八五の代名詞とも言えるのが、「タレ(かえし)を一切使わない」という驚嘆の調理技法です。なぜ醤油ダレや塩ダレを用いずに、ラーメンとして完璧な輪郭とパンチを成立させることができるのか。その秘密は、店主である勝又登 経歴と、フレンチの技法「コンソメ・ブイヨン」の構造にあります。

フレンチの巨匠がラーメン界に投じた一石

店主の勝又登氏は、京都全日空ホテル(現・ANAクラウンプラザホテル京都)の総料理長などを歴任したフランス料理界の重鎮です。40年以上にわたり西洋料理の頂点を極めた勝又氏が、「日本独自の食文化であるラーメンに、自分の料理人生のすべてを注ぎ込みたい」と一念発起し、水道橋の『中華そば 勝本』、神保町の『つけそば 神田勝本』を経て立ち上げた集大成がこの銀座八五です。

勝又氏が厨房で見せる所作は、ラーメン職人というよりもグランメゾンのシェフそのものです。スープ作りの根幹には、フレンチの古典的な出汁の抽出理論が存在しています。

プロシュートの塩分と旨味の極限抽出

通常のラーメンは、動物系や魚介系のスープを炊き出し、丼に注いだ醤油ダレや塩ダレと合わせることで味の骨格を作ります。しかし銀座八五の極上スープは、イタリア産プロシュート(生ハム)、丸鶏(名古屋コーチン等)、鴨肉、乾燥トマト、シイタケ、昆布、ホタテ貝柱、季節の香味野菜などを同時に煮込み、素材そのものから塩分とアミノ酸・イノシン酸・グルタミン酸を均一に溶出させています。

仕上げには、フレンチで用いられる野生種の黒胡椒(ペッパー)を客の目の前でミルで挽き、丼の縁にそっと散らすことで、清涼感ある香りとピリッとしたアクセントを付与。最後の一滴まで飲み干しても舌に一切の重さを残さない、究極のエレガンスを具現化しています。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。