信長の姿を客観的に記録した貴重な一次史料が、イエズス会の宣教師ルイス・フロイスによる『日本史』だ。フロイスは信長と幾度も謁見し、その容貌を極めて詳細に書き残している。
フロイスの記述には「中背で長身、痩せており、髭は少なく、声は極めて明瞭で響き渡る」とある。西洋人の視点から見ても、信長は「背が高い部類」に入っていた事実は重い。当時のポルトガル人男性の平均身長はおよそ160cm台前半から半ばであり、ヨーロッパの基準に照らしても決して見劣りしない長躯だったことが裏付けられる。
虚飾のない外交文書に近い記録だからこそ、フロイスの言葉は信憑性を持つ。声がよく通り、無駄な贅肉のない長身。彼が下した決断の素早さや苛烈さと、このシャープな肉体美は見事なまでに一致している。