ダットサントラックD21の中古車相場は、かつての「20万〜50万円で手に入る手頃な足車」というポジションから完全に脱却しました。大手中古車情報サイトや業者オークションの取引データを分析すると、2020年頃から急激な右肩上がりを記録し、現在の平均相場は180万〜280万円前後へと大きくシフトしています。低走行・フルオリジナルの個体や、完成度の高いカスタム車両では350万円以上の値がつく例も珍しくありません。
この価格高騰の背景には、明確な構造的要因が2点存在します。1つ目は、アメリカの「25年ルール(Classic Car Law)」による海外流出です。北米仕様と同等の頑丈なフレームを持つ右ハンドル日本仕様車が、アメリカやオーストラリアのコレクターによって大量に買い付けられ、国内の流通玉数が激減しました。
2つ目は、国内の90年代ネオクラシックブームとUSDMカルチャーの定着です。特にキャビン後部に荷物置きスペースを備えたダットサントラックD21 キングキャブは、利便性とスタイリングの良さから指名買いが集中しています。もともと商用車として過酷に使われ潰された個体が多い車種だけに、現存するコンディション良好な車両の希少価値は年々高まる一方です。