この庭園の最大の特徴は、広島県が誇る3つの代表的な景観を「山ゾーン」「里ゾーン」「海ゾーン」という異なるエリアとして再構築している点にある。園内を歩き進めるごとに、まるで県内を旅しているかのように次々と景観が切り替わる構造だ。
山ゾーンでは、深山幽谷の趣を漂わせる高低差のある滝や、もみじ谷の鮮やかな青葉が目を楽しませる。一転して里ゾーンへ向かうと、竹林や梅林、竹原の町並みを彷彿とさせる素朴でどこか懐かしい田園風景が広がり、心がすっと落ち着く。そして圧巻は、瀬戸内海と宮島の大鳥居をモチーフにした海ゾーンだ。大海原に見立てた広大な池には鯉が優雅に泳ぎ、数寄屋風の庭園本部「潮見亭」からの眺めは一幅の絵画そのものと言っていい。