説得力のある動物イラストを描く上で欠かせないのが、最小限の解剖学的知識である。象の骨格は他の四足歩行動物と異なり、体体重を支えるために柱のように垂直に立つ脚骨構造を持っている。この「重みを伝える足元」を意識して描くだけで、地面を踏みしめる圧倒的な重量感が生まれる。
また、ポージングによって象の「感情」や「物語」を表現することができる。耳を大きく広げ、鼻を高く掲げた姿は威嚇や歓喜を表現し、逆に耳を伏せて鼻を緩やかに垂らした姿は穏やかさや哀愁を漂わせる。生命感を宿すには、単に形状をなぞるのではなく、生き物としての呼吸や動きのグラデーションをキャンバス上にキャッチすることが不可欠だ。