「波打ち際で本格的に泳ごうと意気込んで行ったら、海がはるか彼方まで引いていて泥遊びしかできなかった」という感想は、新舞子海水浴場を初めて訪れた利用者が口を揃える典型的な落とし穴です。現地に到着してから後悔しないために知っておくべき決定的な理由は、新舞子が「日本屈指の遠浅海岸(干潟)」であるという点に尽きます。
潮が最も引く「大潮の干潮時」には、沖合約500メートルにわたって海水が引き、広大な干潟が出現します。この時間帯は「泳ぐ」ことがほぼ不可能となり、浅瀬の温水を歩くか、生き物観察や泥遊びがメインとなります。一方で、満潮時には砂浜の奥行きが一気に狭まるため、ポップアップテントを設営する位置を誤ると荷物が水没するトラブルに見舞われます。
また、気になる水質環境とクラゲ情報についても客観的な実態を知る必要があります。環境省が公表する全国海水浴場水質調査において、新舞子周辺は例年「A判定(遊泳用として良好)」を維持しています。しかし、底質が非常に細かい粘土質の泥砂であるため、波立ちや大勢の遊泳によって海底が巻き上げられると、視覚的には「濁っている」「茶色く見える」という印象を受けがちです。沖縄や日本海側のようなエメラルドグリーンの透明度を期待すると、大きなギャップを感じることになります。
さらにクラゲに関しては、水温が28度を超える8月10日のお盆前後からアンドンクラゲやアカクラゲの目撃数が急増します。刺傷被害を防ぐためには、ラッシュガードの着用やクラゲよけローションの塗布といった自衛策が前提となります。