スクリーンからストリーミングサービスへと主戦場が広がっても、この探求は止まらない。SF金字塔『スター・ウォーズ』シリーズでは、ライトサイド(光明)とダークサイド(暗黒)の葛藤が描かれ続けてきた。しかし長年紡がれた物語が最終的に提示したのは、正義の押し付けではなく、他者への「愛」と「執着の放棄」こそが暗黒面を凌駕するという真実だった。
さらに近年、NetflixやHBOが手掛けるハイエンドなドラマ群では、単純な悪役(ヴィラン)そのものが姿を消しつつある。主人公自身が深い倫理的欠陥を抱え、対峙する側にも相応の切実な大義が存在するドラマ性が、現代の視聴者の心を強く揺さぶる。
悪の反対語は「善」という記号ではない。相手の背景に思いを馳せる「対話」や「共感」であるというメッセージが、グローバルなエンタメコンテンツの主流となりつつある。