ネット上の口コミ掲示板やSNS、現地での来館者動線をつぶさに観察すると、丸井吉祥寺店に対する消費者の評価はここ数年で劇的に変化しています。
かつての利用客からは「若い頃に通ったメンズ服やレディースのブランドが消えて寂しい」「マルイらしさがなくなった」という感傷的な声が散見されます。昭和から平成にかけてファッションの発信基地だった時代を知る世代にとって、現在の上品で落ち着いたラインナップは一種のギャップを感じさせる要因です。
一方で、現在の居住者やファミリー層、公園散策客からの支持は極めて高い水準にあります。SNS上には以下のようなリアルな生の声が溢れています。
「井の頭公園でピクニックをする前に、1階のビオラルでお弁当やオーガニックジュースを買うのが定番コースになった」
「無印良品の売り場が広々としていてベビーカーでも移動しやすい。授乳室や休憩スペースの配慮が行き届いている」
「昔は洋服を買いに行く場所だったけれど、今は日用品や食材、生活を整えるアイテムを買いに行く『生活インフラ』として週3回使っている」
かつての「気合いを入れて行くファッションビル」から「日常の心地よさを担保するサードプレイス」へ。現場を行き交う人々の穏やかな表情と客層の広がりは、この業態転換が吉祥寺という街の呼吸に見事に適応した証拠です。