近年、コレクターや参拝者の間で絶大な人気を集めているのが、現地でしか手に入らない特別な「限定御朱印」だ。ネット転売や代行参拝が社会問題化する中、授与所では厳格な手渡しのルールが徹底されている。
この限定御朱印を手に入れるためのルートは決して容易ではない。山麓の参道口から徒歩で数十分、急勾配の石段を登り切った先にある社務所でのみ授与が行われる。しかも、授与されるのは毎月限られた吉日や例大祭の開催日、あるいは特定の季節の早朝のみ。事前予告なしに告知されるケースもあり、現地を直接訪れた参拝者だけがその墨書を手にすることができる。
職人の手によって一枚一枚和紙に捺される朱印には、山神の神威を宿すとされる特別な意匠が施されている。苦労して辿り着いた者だけが味わえる達成感と、神聖な証としての価値が、人々の足を惹きつけてやまない。