楽曲のクライマックスで繰り返される「生物たちの虹色の戦争」という言葉。このフレーズが暗示しているのは、多種多様な色彩(=個性や生命)を持った地球上の生物たちが、人間という絶対的な捕食者・支配者の都合によって巻き込まれている不条理な生存競争そのものです。
人間は「動物を守ろう」「命を大切にしよう」と声高に叫ぶ一方で、自らの生活圏を広げるために森林を伐採し、視界に入った虫を害虫として駆除し、美しさを愛でるために植物を手折ります。犬や猫のような愛玩動物には涙を流すにもかかわらず、道端の草花や昆虫の死には一片の痛痒も感じない――。そんな人間が無自覚に抱える命の差別構造を、Fukaseは「戦争」という過激な言葉を用いて浮き彫りにしました。
赤、青、緑と無数に存在する生命のグラデーション(虹色)を、人間の身勝手な価値基準で塗りつぶしていく様を描写したこのフレーズは、リスナーに対して「あなた自身が無自覚な加害者ではないか」という重い問いを突きつけています。