過去十数年にわたり、ネット上では数多くの人気絵師や商業イラストレーターがトレパク疑惑によって炎上してきました。その類型は、有名ファッション誌の写真やストックフォトの無断トレス、他クリエイターの構図・線画の盗用、さらには同業者のイラストを反転・合成した悪質なケースまで多岐にわたります。
代表的な事例として今なお語り継がれるのが、アパレルブランドや有名ミュージシャンとの大型コラボを多数手掛けていた著名イラストレーターのトレース騒動です。レトロポップな画風で若者から絶大な支持を集めていたものの、過去作品の多くが既存の写真や広告ビジュアルと完全一致することがネット上で暴露され、最終的に個展の中止やグッズの回収・返金対応という異例の事態に発展しました。
また、ライトノベルの表紙やソーシャルゲームのキービジュアルを担当していた中堅商業イラストレーターの連続トレス発覚も業界を大きく揺るがしました。海外の写真素材サイトの有料素材をライセンス未購入のままトレスしていたケースや、ポーズ集の利用規約(商用利用不可・要クレジットなど)を無視して作画していた事例など、プロとしてのモラルと権利意識の欠如が露呈した事件は枚挙にいとまがありません。