カルテの「As」は何の略?大動脈弁狭窄症など科ごとの違いを徹底解説

カルテの「As」は何の略?大動脈弁狭窄症など科ごとの違いを徹底解説

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多忙を極める病棟で、最も頻繁に略語の洗礼を受けるのが看護師です。看護師カルテ用語として申し送りノートや電子カルテの看護必要度入力画面、バイタルサイン測定記録の余白に走る「AS」の2文字は、時に現場へ深刻な誤解をもたらします。

都内の急性期総合病院に勤務するベテラン看護師の手記や、日本医療機能評価機構に寄せられたヒヤリハット事例集を分析すると、診療科間の対診(コンサルト)時に起きた生々しいインシデントが浮き彫りになります。

「整形外科病棟に入院中の70代患者さんの記録に『既往:AS』とだけ記載されていました。整形外科の若手看護師は『強直性脊椎炎の既往があるのだな、可動域に注意しよう』と思い込んでいましたが、術前カンファレンスで循環器内科医がカルテを見た瞬間、『重症のAortic Stenosis(大動脈弁狭窄症)じゃないか!この心機能で全身麻酔をかけるのは危険だ』と青ざめた事例がありました。命に関わる直前のところで麻酔科医が介入し、間一髪で手術計画が見直されました」(病棟看護師の証言)

また、精神科リエゾンチームと一般身体科病棟とのやり取りでも同様の摩擦が起こります。身体科の看護師が「AS疑いのため対応注意」という精神科の対診返信メモを見て、心臓弁膜症の悪化による体動制限と勘違いし、安静度指示を厳格にしてしまった結果、患者本人の強いこだわり特性や環境変化への不安に対応できず、病棟内でパニックを引き起こしてしまったという報告も存在します。

こうした実態から、SNSや看護師向けコミュニティでは「略語はタイピングが早いかもしれないけれど、申し送りで相手に質問させる時点でタイムロス」「循環器なら弁膜症、精神科ならASDと日本語で書いてほしい」という悲痛な叫びが日常的に投稿されています。効率化のための略記が、結果としてコミュニケーションコストを増大させている現場の矛盾が浮き彫りとなっています。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。