小学校への入学や進級に合わせてキッズレインコートランドセル対応モデルを購入したものの、初雨の日に「全く役に立たなかった」と嘆く声がSNSや保護者コミュニティで頻繁に聞かれます。背中にマチがあり、ボタンを外せば大型ランドセルの上から羽織れる構造自体は非常に画期的ですが、実際の通学現場には設計上の盲点が存在します。
第一の落とし穴は、背負った厚みによって生じる「前上がりの裾バランス」です。ランドセルを背負うと生地全体が後方上部へと引っ張られます。背面のマチ幅が不十分な製品では、後ろ身頃が大きく持ち上がり、歩行時の跳ね返り泥水がふくらはぎから太もも裏まで直撃します。さらに、走ったり階段を上ったりする拍子にコートの裾がランドセル下部に引っ掛かり、めくれ上がった状態のまま豪雨に晒されるトラブルが多発しています。
第二の盲点が「首元とファスナー合わせ目からの浸水」です。雨傘を差しながら前傾姿勢で歩く小学生は、風を正面から受ける形になります。ファスナーの上からスナップボタンで留める「二重前立て」が採用されていない製品では、生地自体の撥水力に関係なく、合わせ目の隙間から雨水が侵入して胸元を濡らします。特に首回りのアジャスターがない安価なモデルでは、フードを伝った雨垂れが直接インナーへ流れ込みます。
第三に、教科書やノートの「結露・蒸れ被害」が挙げられます。透湿性の低いポリ塩化ビニール(PVC)素材のコートを密閉着用すると、子供の旺盛な発汗によって内部の湿度が短時間で100%近くまで跳ね上がります。外からの雨は防いでいても、子供自身の汗と熱気がこもり、ランドセルの背あてや衣服が内側からぐっしょりと湿ってしまう現象を「雨漏り」と誤認するケースも少なくありません。