作中において名実ともに単独最強として君臨し続ける滅却師の始祖、ユーハバッハ。彼の強さの本質は、純粋な戦闘力の高さを遥かに超えた「事象確定能力の絶対性」にあります。
ユーハバッハの真のチート能力である「全知全能(ジ・オールマイティ)」は、当初「これから起こる未来を全て見通し、知った能力では自身を傷つけられなくなる」という予知・無効化能力として描かれました。しかし、千年血戦篇の終盤で判明した真の力は、「無数に分岐するあらゆる未来を見通し、自らに都合の良い未来を選択して現在へ引きずり込む(改変する)」という神の御業でした。
自分自身が死亡した未来すらも「生き返った未来」へと書き換えるため、通常の手順による殺害は完全に成立しません。現に、黒崎一護が研ぎ澄まされた真の卍解を抜刀した瞬間、ユーハバッハは何の交戦プロセスも踏まず、未来において一護の卍解をへし折る挙動を見せました。読者や考察コミュニティが震撼した「恐ろしいから未来で折っておいた」という台詞は、本作のパワーバランスを完全に異次元へ押し上げた象徴的な場面です。
さらに霊王およびミミハギ様(霊王の右腕)を取り込んだことで、彼は世界の存続を司る霊的質量すら手中に収めました。最終決戦で彼を討ち果たすことができたのは、藍染惣右介の鏡花水月による「未来視の誤認(認知の歪み)」、石田雨竜が放った「静止の銀の鏃」による一瞬の能力停止、そして黒崎一護の純粋な一撃という、三つの奇跡的な要因が寸分の狂いもなく噛み合わさった結果に過ぎません。