松平健の私生活において、今なお芸能史に残るビッグトピックとして語り継がれているのが、元宝塚歌劇団月組トップスター・大地真央との結婚です。
ふたりの馴れ初めは、1987年の舞台『風と共に去りぬ』での初共演でした。スカーレット・オハラを演じる大地真央と、レット・バトラーを演じる松平健。舞台上での完璧な美男美女のデュエットは観客を魅了し、やがて本物の恋へと発展します。1990年、東京・帝国ホテルで行われた結婚披露宴はテレビ中継され、視聴率は30%を記録。まさに昭和から平成へと移り変わる時代の「世紀のビッグカップル」として日本中から祝福を浴びました。
2004年に円満離婚を迎えることとなりますが、ふたりの婚姻期間中、松平健の役者としての表現力は舞台芸術を通じてさらなる洗練を遂げました。そして、離婚と同じ2004年に突如として日本中を席巻したのが、あの伝説的な楽曲『マツケンサンバII』でした。
もともとは自身の座長公演の第2部(歌謡ショー)のエンディングで、観客を笑顔で帰すために1990年代から披露されていた演目でした。真面目一筋で硬派な二枚目俳優が、金色の髷と煌びやかな着物を纏い、腰を振って軽快にステップを踏むという強烈な自己破壊。この振り切ったエンターテインメント精神が、当時閉塞感の漂っていた日本社会に爆発的なエネルギーを与え、オリコンチャート上位を独占する社会現象となったのです。