細木数子を巡る週刊誌の衝撃スクープの数々は、果たしてどこまでが真実だったのか。後年明らかになった裁判記録や関係者の証言を突き合わせると、そこには緻密な演出と人間心理を巧みに操るプロデュース能力が浮かび上がる。
脅迫や強引な霊感商法と報じられた高額な鑑定料や先祖供養の指導は、不安を抱える人々の心の隙間に深く入り込む手法だった。溝口敦の取材に対して細木側が最終的に訴訟を取り下げたり和解に至ったりした経緯は、報道内容の核心部分が極めて強固な裏付けに基づいていたことを示唆している。出版界とテレビ界を巻き込んだ大立ち回りは、大衆が何を欲望し、何を恐れていたのかを映し出す巨大な実験場でもあった。