相場変動の渦中で、実際の現場では何が起きているのか。買取専門店やディーラーの下取り窓口、そして車買取の一括査定現場を取材すると、オーナーたちの悲喜こもごもが浮き彫りになります。
首都圏の大手買取チェーン店長は、近年の商談現場の空気を次のように証言します。「2022年や2023年頃は、査定額を提示すると『えっ、そんなに高く買い取ってくれるの?』と驚かれるお客様ばかりでした。しかし直近の現場では、査定額を出した瞬間に沈黙されるケースが増えています。特に3年残クレを組んで『残価設定額55%(約280万円)』で据え置いていた方が、実際の査定で250万円を切ってしまい、乗り換え時に数十万円の追い金が発生するいわゆる『残価割れ』に頭を抱える事例が頻発しています」
SNSや自動車掲示板(知恵袋・コミュニティスレッド)を精査しても、ユーザーの生の声は二極化しています。
【ネット上に集まるオーナーたちの生々しい声】
「30系後期のSCパケを売却。2年前なら450万と言われたのに、先週の査定は320万円。リセール最強と言われていたからこそ、この下落スピードは精神的にきつい」(30代男性・前オーナー)
「残クレの最終回で車を返却するか買い取るかの選択を迫られているが、相場が下がったせいでディーラーへの返却一択。手元に何も残らない」(40代男性・会社員)
「ずっと欲しかった30系後期が300万円ちょっとで買えた! 40系は顔がギラギラしすぎていて内装も少し安っぽい部分があったので、完成され尽くした30系をこの底値で買えたのは完全に勝ち組だと思う」(30代女性・購入者)
投資目的や「ほぼタダで乗り継ぐ」ことを目論んでいた層にとっては手痛い下落となった一方、純粋に「高級ミニバンの快適性を適正な予算で手に入れたい」と願っていた実需ユーザーにとっては、まさに待ち望んでいた市場環境が到来したと言えます。