外出先や引っ越し直後など、化粧箱に同梱されていた専用ピンが見当たらない場面は頻繁に起こります。ネット上には様々な代用案が飛び交っていますが、通信機器の構造上、安全に使えるアイテムは極めて限定的です。SIMピン紛失時の開け方として、専門家が唯一推奨できる身近なアイテムがスチール製のペーパークリップ(ゼムクリップ)です。
一般的な事務用ゼムクリップ(小サイズ・1号など)の針金部分は、直径およそ0.8mm〜0.9mmで製造されています。スマートフォンのイジェクトホール内径は約1.0mm前後に設計されているため、サイズ規格として理想的な嵌合(かんごう)を見せます。SIMピン代用クリップとして活用する際は、外側の折り曲げられた針金を1箇所だけ外側へまっすぐ伸ばし、先端が鋭利に潰れていない平滑なものを選びます。
プラスチックコーティングされたカラークリップは、外装ビニールが穴の中で剥がれて詰まる恐れがあるため使用を避けてください。露出した金属製のクリップを使用し、純正ピンと同じく垂直に押し込むことで、内部の押し出しスプリングを安全に作動させることが可能です。
また、文房具のクリップが手元にない場合、イヤリングやピアスのポスト(軸部分)が代用品の候補に挙がることがあります。しかし、貴金属製のピアスは強度が低く、押し込む力に負けて軸が曲がってしまうリスクを孕んでいます。どうしても使用する場合は、チタン製やサージカルステンレス製で太さが均一、かつ装飾部が干渉しないシンプルな直線形状のものに限定し、無理なテンションをかけない慎重さが求められます。