京都宮川町の再開発と帝国ホテルの全貌|新歌舞練場と花街の現在

京都宮川町の再開発と帝国ホテルの全貌|新歌舞練場と花街の現在

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SNSやネット掲示板では、宮川町の再開発に対して「大手資本に飲み込まれて情緒が消えるのではないか」「テーマパーク化してしまうのではないか」という危惧の声が散見されます。しかし、現場の綿密な取材で見えてくる実態は、そうした短絡的な批判とは大きく異なります。

誤解の最たるものは、帝国ホテルが主導して花街を観光地化するという見方です。実際には、イニシアチブを握り続けているのは宮川町歌舞会と地域住民です。新道地区の建築協定では、ネオンサインの禁止はもちろん、大型観光バスの乗り入れ制限、夜間の照明照度に至るまで極めて厳格な取り決めが交わされています。帝国ホテルの規模がわずか60室前後に抑えられたのも、宿泊客の増大による街のキャパシティオーバーを防ぐためです。

もう一つの重大な盲点が、「舞妓パパラッチ」問題に対する取り締まりの強化です。宮川通を含む花街の路地では、舞妓・芸妓を無断で追いかけたり、進路を塞いでスマートフォンを向ける行為が厳しく禁止されています。私道での撮影禁止規制が祇園エリアに続いて強化されており、違反者には厳しい目が向けられます。芸妓や舞妓は観光マスコットではなく、芸道に生きる生活者です。彼女たちの日常とプライバシーを守る「心理的・物理的バウンダリー(境界線)」を尊重することこそが、宮川町を訪れる上での最低限の前提条件となります。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。