ネット上の掲示板やSNSを見ていると、「ガラガラに見えるのに受付を断られた、接客拒否ではないか」といった書き込みが散見されます。しかし、ここには現代の携帯ショップが抱えるバックヤード事情と、一般消費者の認識のズレという決定的な盲点が存在します。
店舗のフロアに座っている顧客が少なく見えたとしても、スタッフはバックオフィスでオンライン注文端末の開通処理、修理返却端末の検品、他店との在庫調整、さらにはオンライン接客システムを介した遠隔対応など、膨大なタスクを並行処理しています。かつてのような「手の空いたスタッフが目の前の客を順次さばく」という牧歌的な労働モデルは完全に崩壊しており、1席ごとの接客コマが厳密なスケジュール管理のもとで割り振られています。
また、もうひとつの誤解が「店頭に行けば特別な非公開割引がある」という幻想です。キャリアショップの価格設定や端末割引の枠組みは、総務省が定めた電気通信事業法のガイドラインによって厳格に規制されており、店長の裁量で端末代金が突然半額になるといった事態はあり得ません。手続きの透明性が高まった現在、無理に店頭へ足を運んで値引き交渉を試みることは、ユーザー側にとっても貴重な時間的コストを浪費する結果にしかなりません。