なぜ長年、2人には不仲説や絶縁の噂がつきまとったのでしょうか。その背景には、モーニング娘。在籍時のリアルな思春期の葛藤と、卒業後に生じた人生の歩みのコントラストが存在します。
10代前半で爆発的な人気を得た2人は、仕事でもプライベートでも24時間行動を共にしていました。当時のインタビューや手記でも明かされている通り、「お菓子の取り合い」や「衣装の順番」、周囲の大人からの些細な扱いの違いを巡り、思春期特有の激しい喧嘩を日常茶飯事で繰り広げていたのは事実です。しかしそれは憎しみによる不仲ではなく、距離が近すぎる姉妹のような摩擦でした。
決定的な溝として世間に映ったのは、20代以降の進路の違いです。辻希美が若くして結婚・出産を経験し、ブログやSNSを駆使して「カリスマママタレ」としての地位を確立していく一方、加護亜依は所属事務所の契約解除や私生活のトラブルなど、度重なる苦難とメディアからの猛烈なバッシングに直面しました。
ワイドショーや週刊誌はこれを「辻希美と加護亜依の格差」としてセンセーショナルに書き立てました。しかし、当事者である2人の間では、妬みや見下しといった感情ではなく、「触れてはいけないデリケートな時期」として自然と連絡が途絶えていたに過ぎません。加護亜依自身も後のインタビューで、「自分が落ち着くまでは辻ちゃんに連絡できなかった」と当時の複雑な胸中を告白しています。