鬼滅の刃・悲鳴嶼行冥はなぜ最強なのか?壮絶な過去と最期を徹底解剖

鬼滅の刃・悲鳴嶼行冥はなぜ最強なのか?壮絶な過去と最期を徹底解剖

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悲鳴嶼行冥が常に数珠を手にして涙を流し続ける理由には、彼が鬼殺隊へ入隊する契機となったあまりにも残酷な過去が存在します。幼少期に患った熱病によって視力を失った悲鳴嶼は、身寄りのない9人の孤児たちを引き取り、寺で貧しくも家族のように寄り添って暮らしていました。

しかしある夜、寺の言いつけを破って日没後に外出した子ども(のちの獪岳)が鬼と遭遇してしまいます。自らの命を惜しんだその少年は、寺で暮らす悲鳴嶼と他の子どもたちの命を鬼に売り渡し、鬼除けとして焚かれていた藤の花の香炉を消して鬼を招き入れてしまったのです。

鬼の急襲に対し、盲目だった悲鳴嶼は「自分の後ろへ隠れろ」と子どもたちを必死に守ろうとしました。しかし、日頃から目の見えない悲鳴嶼を頼りないと見なしていた子どもたちはパニックに陥り、彼の指示を聞かずに寺の外へ逃げ出し、次々と鬼の爪牙にかかって命を落としていきました。唯一その場に踏みとどまった最年少の少女・沙代(さよ)を守るため、悲鳴嶼は覚醒し、朝の光が鬼を消滅させるまで素手で殴打し続けました。

「あの人は化け物」――少女の証言が生んだ十数年の悲痛な誤解

夜が明け、駆けつけた村人たちに対して、恐怖のあまり精神錯乱状態に陥っていた沙代は「あの人は化け物」「みんなあの人が殺した」と叫んでしまいました。沙代が指差した「あの人」とはすでに灰となって消えていた鬼のことでしたが、現場に血まみれで立ち尽くしていた悲鳴嶼自身のことだと村人や役人に誤認され、彼は子ども殺しの濡れ衣を着せられて投獄、死刑宣告を受けることになります。

処刑直前に産屋敷耀哉によって救い出されたものの、命懸けで守ろうとした子どもたちに信用されず、さらに救った少女に売られたという激しい心の傷は、悲鳴嶼の中に「子どもや人間に対する深い不信感」を植え付けました。彼が流す涙は、理不尽に散った子どもたちへの尽きない哀悼であると同時に、人間という存在の弱さと脆さに対する悲哀の涙だったのです。

森 瞳
著者

森 瞳

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